TCFD提言に基づく情報開示

TCFD提言に基づく情報開示2026

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TOKAIグループは暮らしや社会に関わる様々な事業活動を通じ、社会が直面する課題の解決に向け積極的に取り組んでいます。2021年12月にはTOKAIグループ「サステナビリティ宣言」を公表し、マテリアリティ(重要課題)を特定しました。その後、2026年5月に、外部環境が変化したことに伴い、 マテリアリティを見直しました。その中でも2050年のカーボンニュートラルの達成や気候変動課題への対応は、世界規模で取り組みが求められる社会問題であり、当社グループの提供するエネルギーとも密接にかかわる重要なテーマであると認識しています。

当社グループでは、TCFDフレームワークを活用した「気候変動リスク及び機会」の特定及び対応策の策定と経営戦略への統合が、当社グループの持続的成長と企業価値向上に資するものと考え、TCFDガイドラインに即した情報開示を2022年度に初めて行いました。

【更新】
 2026年5月 「マテリアリティの見直し」並びに「中期経営計画2028」の始動に伴い、本開示内容の戦略等を更新しました。

今後もシナリオ分析を通じた当社グループの気候変動課題に対するレジリエンスの強化を図ると同時に、毎年度内容の見直しを行い、情報開示の充実に努め、持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。

1 ガバナンス

当社グループは気候変動をはじめとする社会課題に積極的に関わりながら、持続可能な社会の実現へ貢献することを目指しており、取締役会の諮問機関の一つである「サステナビリティ推進委員会」を主体として、サステナビリティの視点を踏まえた経営を促進しています。「サステナビリティ推進委員会」は代表取締役社長が委員長を務め、経営・リスク管理をはじめとした部署の担当役員、グループの中核事業会社社長、客観的な視点によるアドバイスを活かすため社外取締役などのメンバーで構成されています。

同委員会は定例で年2回、その他必要に応じて開催しており、マテリアリティ及び取組課題の棚卸、目標達成に向けての取組状況の評価を実施しています。ここで協議された気候関連の取り組みや課題は取締役会に報告され、当社グループ経営層による適切な管理・監督のもと、グループ各社で構成される「GX推進委員会」を通じて、グループ会社に対応を指示します。

2026年度より、グループ役員の賞与評価にESG評価を導入します。ESG評価指標として「従業員エンゲージメントの各年度目標値(前年度比プラス)の達成」、「GHG排出量削減率の各年度目標値の達成」の2指標を設定し、指標達成数により全役員の賞与支給率に一律反映するものとします。

サステナビリティ推進委員会の役割を表す図

2 戦略

(1)シナリオ分析の前提

時間軸

当社グループがカーボンニュートラルを目指す2050年を踏まえ、短期を2028年(「中期経営計画2028」の終了年)まで、中期を2030年まで、長期を2050年までと設定しました。なお、財務影響は2030年時点で評価しています。

短期 2028年(「中期経営計画2028」の終了年)
中期 2030年
長期 2050年

対象事業

分析対象事業は当社グループの全事業(全連結子会社42社)としています。とりわけ当社グループの主力事業であるエネルギー事業は、脱炭素化への移行計画において大規模な事業環境変化が想定される事業領域であり、その影響規模を事前に評価しておくことの重要性を認識しています。

※2026年5月 対象事業を拡張しました。

シナリオ

当社グループは、気候変動課題が及ぼすリスクと機会、財務影響を把握するため、1.5℃シナリオと4℃シナリオの2つのシナリオ分析を実施し、その対応策の検討を行っています。

1.5℃シナリオ 4℃シナリオ
世界観

2015年のパリ協定にて示された世界観。脱炭素化の推進により 2100年までの気温上昇を1.5℃程度に抑制するために、政策規制の強化、技術発展がなされる事を想定したシナリオ。

参照シナリオ

IPCC: SSP1-1.9, SSP1-2.6
WEO: NZE

気候変動政策が十分進まず、GHG排出量は今後も増加し続け、その結果、産業革命期比で世界平均気温が2100年までに最大4℃上昇し、台風や洪水などの物理的被害が拡大・激甚化するシナリオ。

参照シナリオ

IPCC: SSP5-8.5, SSP3-7.0
WEO: STEPS/CPS

炭素税 140ドル/t-CO2 (IEA 「World Energy Outlook2023」) 42ドル/t-CO2 (IEA 「World Energy Outlook2023」)

以上のシナリオを想定し分析を行った結果、主要なリスクと機会、当社グループへの影響及び対応策は次の通りです。

(2)シナリオ分析結果

シナリオ分析結果の表

外部シナリオと当社固有の事情を考慮しながら当社グループの事業への影響についてシナリオ分析を行いました。移行リスク、物理リスク、機会の重要度を「発生可能性」(1~3評価)と「影響度」(1~3評価)の両面で検証し、右図のマトリックス表に基づき、3段階(大・中・小)で評価しました。
なお、「発生可能性」は、1項目ごとに発生する可能性を予見し、可能性の大きさに応じて3段階で評価しています。また、「影響度」は、定量的に把握できる項目について営業利益への影響額を試算し、影響額が±50億円超は3、±10億円超は2、±10億円以下は1と3段階で評価しています。

※2026年5月 2025年度の状況をもとに再試算しています。

  • 1.5℃シナリオ

    炭素税の導入・強化により、自社排出GHG(Scope1・2)に対する課税や、LPガス事業・都市ガス事業における調達コストが大きくなることが予想されます。また、GHG排出規制やエネルギーミックスの変化等により、ガスの需要が低下する可能性があります。
    また、省エネルギー機器の普及拡大により、ガス使用量が減少するリスクと、高効率機器等の販売機会が拡大する両面の影響が予想されます。一方で住宅の断熱性能向上への意識が高まり、断熱リフォームやZEH等の販売機会が拡大することも期待されます。

  • 4℃シナリオ

    異常気象に伴う高潮や台風などの自然災害の激甚化により、当社施設(エネルギー供給設備・データセンター・通信設備等)、サプライチェーン、顧客の被災による事業活動の停止が予想されます。
    一方で、平均気温の上昇や猛暑等の影響によりアクア(宅配水)のニーズが高まることや、水害等による企業施設内のデータ破損を回避するため、危機管理体制の整ったクラウドなどのITサービスの需要が増加することが期待されます。
    更には、頻発する自然災害に関する地域情報発信機能として、コミュニティチャンネルを持つCATVのニーズが高まることも予想されます。

リスク/機会 分類 要因 対象事業 当社グループへの影響 時間軸 2030年における
財務影響
対応策
1.5℃ 4℃
リスク 移行 政策・法規制 炭素税の導入 全社
  • 自社排出GHG(Scope1・2)への課税
中期~長期
  • 自社施設の電力グリーン化や、LPガス配送効率化等によるGHGの削減
エネルギー
  • LPガス事業・都市ガス事業での調達コストの増加
中期~長期
  • サプライチェーン全体のGHGの削減
  • トランジション期(移行期)におけるクリーンエネルギーであるLPガス・都市ガスへの燃料転換推進
  • お客様への省エネルギー機器・再生可能エネルギー・コージェネレーション等の環境商品の販売拡大(機器利益の増加)
エネルギー政策の変化
  • GHG排出規制やエネルギーミックスの変化等によるガス需要の低下
中期~長期
技術 省エネルギー機器の普及拡大
  • 高効率給湯器の普及によるガス販売の減少
短期~長期
評判 低・脱炭素志向の高まり 全社
  • 社会の低・脱炭素事業重視による人財確保難
中期~長期
  • グループ従業員への環境教育の実施に伴う環境リテラシーの向上
物理 急性 自然災害の増加
  • 高潮等激甚化した自然災害による当社施設の損壊
短期~長期
  • 風水害対策の強化、BCPの徹底、防災体制の構築等によるレジリエンスの向上
慢性 地球環境・社会構造等の変化 エネルギー
  • 気温上昇・世帯人数の減少・住宅断熱性能の向上等によるガス販売量減少
短期~長期
  • 断熱リフォームやZEH等の販売拡大(工事利益の増加)
機会 政策 省エネルギー機器の普及促進政策
  • 高効率機器・再生可能エネルギー・コージェネレーション等の普及促進政策による機器販売の増加
短期~長期
  • お客様への省エネルギー機器・再生可能エネルギー・コージェネレーション等の環境商品の販売拡大
市場 自然災害の増加 情報通信
  • 水害等により企業施設内のデータが破損するリスクを回避するため、クラウドサービスの需要が増加
短期~長期
  • 法人向けクラウドサービスの販売拡大
CATV
  • 地域密着の防災情報・災害報道を発信するコミュニティチャンネル視聴ニーズの高まり
短期~長期
  • CATVサービスへの加入促進及び地域密着型番組制作機能の強化
慢性的な気温上昇 アクア
  • 平均気温の上昇や猛暑等の影響により、宅配飲料水ニーズの高まり
短期~長期
  • アクア生産体制の強化並びに販売拡大
評判 ESG投資への関心の高まり 全社
  • 投資家からの評価向上による資金調達力・企業価値の向上
短期~長期
  • TCFD開示をはじめ、気候変動関連の積極的な情報開示

(3)TOKAIグループのGX推進策

上記の分析結果を踏まえ、「リスク」についてはその低減に努め、「機会」については事業の拡大・成長に繋げ、グループ一体となって低・脱炭素化への取組を推進してまいります。

自らの事業活動では、自社の施設や設備における太陽光発電の導入促進、非化石証書の調達、省エネ化の推進等により自社排出GHG(Scope1・2)の削減を図ってまいります。
また、お客様や地域向けには、省エネルギー機器や再生可能エネルギーの普及促進、カーボンクレジットの創出・活用等を進め、お客様や地域のGHG排出削減に貢献してまいります。更に、仕入先やスタートアップ企業等とも連携を図り、脱炭素原料・製品の開発を促進し、サプライチェーン全体での削減に貢献してまいります。
これらの戦略は「中期経営計画2028」にも反映しており、サプライチェーン全体の「環境価値創造」と当社グループの「事業成長」の両立を目指してまいります。

なお、自社施設・お客様向けの風水害対策の強化をはじめ、BCPの徹底、防災体制の構築により、レジリエンスの向上にも努めてまいります。


【中期経営計画2028におけるGX戦略】

自社の事業活動
  • 事業所・設備の低・脱炭素化
  • 再生可能エネルギーの導入
サプライ
チェーン全体
ガス原料
  • クレジット付ガスの普及促進
  • グリーンLPG・eメタンの研究開発への協力
    (2030年~)導入開始
    (~2050年)完全導入
機器販売
  • 高効率ガス給湯器の拡販
  • 太陽光発電の拡販、蓄電池セット販売の推進
地域連携
  • 地産地消Jクレジット創出・活用の推進
  • 地域モビリティの低・脱炭素化の推進 等
オープン
イノベーション
  • スタートアップ等との連携強化
  • (2030年~)革新的技術の早期取り込み、社会実装
  • 海外における低・脱炭素化支援
中期経営計画2028のGXのキービジュアル

(4)GX関連プレスリリース

2026年4月28日発表 東海ガス官民連携による「藤枝型森林カーボンクレジット」の取り組みについて
2026年3月24日発表 Taft Hydroenergy Corporation の株式の取得(連結子会社化)に関するお知らせ
2026年2月4日発表 温室効果ガス(GHG)排出量(2024年度)の第三者保証を取得
2025年12月25日発表 株式会社TOKAI令和7年度「省エネコミュニケーション・ランキング制度」において LPガス小売事業者の部門で最高評価の五つ星(満点)を獲得
2025年12月19日発表 CDP2025「気候変動」分野において3年連続「B」スコア獲得のお知らせ
2025年4月3日発表 CDP2024「気候変動」分野における「B」スコア獲得のお知らせ
2025年4月2日発表 温室効果ガス(GHG)排出量の第三者保証を取得
2025年2月28日発表 株式会社Atomisへの出資についてのお知らせ[PDF: 237KB]
2025年1月31日発表 J-クレジット制度の登録認証を取得[PDF: 165KB]
2024年3月26日発表 株式会社TOKAI 法人向け中小規模オンサイト型PPAの販売開始について[PDF: 185KB]
2024年3月12日発表 東海ガス株式会社 官民連携で「藤枝型森林カーボンクレジット」を展開 ~地域におけるJクレジット創出と木材の流通の循環モデル確立~[PDF:630KB]
2024年2月19日発表 フィリピン REPOWER ENERGY DEVELOPMENT CORPORATIONの株式追加取得(持分法適用関連会社化)に関するお知らせ[PDF:81KB]

(5)TOKAIグループ GXの取り組み

TOKAIグループは、エネルギー事業者として、また暮らしや社会を総合的に支える企業グループとしての責任を果たすべく、気候変動への対応に主体的に取り組んでいます。

次世代の子どもたちが安心して暮らせる社会の実現を目指し、(3)に示したGX推進策に基づき、様々な環境対策を積極的に進めています。

詳しくはこちらをご覧ください。

3 リスク管理

気候変動関連リスク及び機会の評価・管理を、原則として年次サイクルで実施しています。全社的な気候変動リスク管理の対応は、TOKAIホールディングスサステナビリティ経営推進室が担っています。サステナビリティ経営推進室は、グループ会社の社長並びに担当役員で構成される「GX推進委員会」を開催し、同委員会にて気候変動リスクの抽出・評価・検討を行います。更に、その結果をサステナビリティ推進委員会に報告し、協議します。
また、サステナビリティ推進委員会にて協議された気候変動課題については、GX推進委員会を通じてグループ会社にその優先順位について検討・対応策を指示するとともに、対応状況の進捗をフォローし、サステナビリティ推進委員会にフィードバックします。

リスク管理の図

4 指標と目標

当社グループは、マテリアリティの一つに「環境に配慮した事業活動の推進」を掲げ、気候変動対応を重要な課題と位置付けています。2030年にありたい姿として「2050年のカーボンニュートラル達成を目指し、自らが牽引役となって、サプライチェーン全体の気候変動対策に積極的に取り組んでいる」ことを目指しています。この実現に向け、「中期経営計画2028」では、サプライチェーン全体での「環境価値創造」への貢献を掲げ、グループ一体となって推進しています。

Scope1・2のGHG排出量については、2030年度までに50%(2021年度比)削減することを目指しています。また、Scope3も含めたGHG排出量については、2050年までにカーボンニュートラルの達成を目標としています。
これらの取組を通じ、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、企業価値の向上に努めてまいります。

指標と目標は以下のとおりです。

指標 目標
2030年度 2050年度
Scope1+2 GHG排出量
(基準年 2021年度比)
▲50%以上
(▲1.6万トン以上)
カーボンニュートラル
Scope3
サプライチェーンGHG排出量
サプライチェーンとの協働
指標と目標のグラフ
Scope1,2,3実績
(単位:千t-CO2
基準年
2021年度
2022年度 2023年度 2024年度 基準年度比 基準年度比%
Scope1 自らの事業による温室効果ガスの直接排出 10.9 10.9 10.6 10.6 ▲0.4 ▲3.3%
Scope2 他社から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出 23.3 23.7 22.0 20.7 ▲2.5 ▲10.9%
Scope1+2計 34.2 34.6 32.6 31.3 ▲2.9 ▲8.5%
Scope3 カテゴリ―1 購入した製品・サービス 673.9 666.7 668.3 679.2 +5.3 +0.8%
カテゴリ―2 資本財 60.9 59.1 66.9 65.6 +4.7 +7.8%
カテゴリ―3 Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動 5.5 5.5 5.4 5.6 +0.1 +1.6%
カテゴリ―4 輸送、配送(上流) 3.9 3.7 3.7 3.0 ▲0.9 ▲22.8%
カテゴリ―5 事業から出る廃棄物 1.3 1.4 1.4 1.6 +0.2 +18.9%
カテゴリ―6 出張 1.2 1.7 1.5 2.2 +1.0 +84.5%
カテゴリ―7 雇用者の通勤 1.4 1.5 1.3 1.5 +0.2 +12.0%
カテゴリ―8 リース資産(上流) - - - - - -
カテゴリ―9 輸送、配送(下流) - - - - - -
カテゴリ―10 販売した製品の加工 - - - - - -
カテゴリ―11 販売した製品の使用 1,481.1 1,421.9 1,439.4 1,428.7 ▲52.4 ▲3.5%
カテゴリ―12 販売した製品の廃棄 11.6 11.4 10.5 11.8 +0.2 +1.8%
カテゴリ―13 リース資産(下流) 103.7 105.6 104.6 109.4 +5.7 +5.5%
カテゴリ―14 フランチャイズ - - - - - -
カテゴリ―15 投資 - - - - - -
Scope3合計 2,344.4 2,278.4 2,303.0 2,308.6 ▲35.8 ▲1.5%
Scope1,2,3合計 2,378.6 2,313.1 2,335.6 2,339.9 ▲38.7 ▲1.6%
  • 2024年度のGHG排出量は、一般財団法人日本品質保証機構のISAE3410水準による第三者保証を取得しております。
    また、2024年度よりバウンダリを拡張したことに伴い、過年度についても2024年度と同じ基準で算定しております。
  • Scope2はマーケット基準で算出しています。

第三者保証

TOKAIホールディングスは、温室効果ガス(GHG)排出量データの信頼性向上のため、2024年度GHG排出量について、一般財団法人日本品質保証機構によるISAE3410水準の第三者保証を受けています。

【保証範囲】

■期間及びカテゴリ

 2024年度のGHG排出量 (Scope1,Scope2,Scope3カテゴリ1,11)

■バウンダリ

 株式会社TOKAIホールディングス 及び関係会社42社  183拠点