TOKAIグループって、何者?:02
「東海ガス 森の都ならここの里」(前編)
2025年11月05日

静岡県掛川市の森掛川ICから車を走らせること約15分、自然豊かな山あいの地に、キャンプ場及び温泉施設「森の都ならここの里」はあります。広大な敷地内には、オートキャンプサイトや、コテージ、バンガローが並び、川遊びやバーベキューなども楽しめる、県内でも人気なアウトドアスポットです。キャンプ場の隣には、源泉かけ流しの天然温泉があり、四季折々の自然を味わえる憩いの里となっています。掛川市からの譲渡を受け、2024年4月に東海ガスがその運営を引き継ぎました。今回は、「森の都ならここの里」で実際に働く社員にお話を聞いてみます。
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▲取材時に受付棟にて勤務されていた皆さん(左から3番目がF.K.さん)今回お話を聞いたのは、東海ガスで「森の都ならここの里」を担当している部門の部長を務めるF.K.さん。普段はこの受付棟で勤務しています。
40年以上の歴史を引き継ぐ
▲受付棟裏にある松下橋1980年代に、自然体験や地域住民の交流の場として整備が進められたキャンプ場が、現在の「ならここの里キャンプ場」です。もともとは、地元地域(掛川市居尻地区)の組合によって、管理・運営が行われていたそう。施設が整備され、1995年に第3セクター株式会社「森の都ならここの里」が設立されました。その後地域住民の要望もあり、2003年にはキャンプ場の隣に「ならここの湯」が誕生。長年にわたって現在まで、多くの人々から親しまれている人気スポットとなっています。
2023年7月、掛川市は「森の都ならここの里」をこれまで以上に中山間地域の振興に寄与する施設とするべく、施設の民間譲渡に向け公募を開始しました。そこで手を挙げた民間企業の一つが、東海ガスでした。

F.K.さん「掛川市が公募を始めた当時、東海ガスでは、藤枝市の“びく石山静かな夜のキャンプ場”*の立ち上げに向けて進めているところでした。“ならここの里キャンプ場”と言えば、静岡県内でもトップクラスの人気を誇るキャンプ場です。運営を引き継ぐことで、びく石山静かな夜のキャンプ場の運営にも相乗効果が見込めるのではないかと考えたことがきっかけでした。地域に根差す企業として、弊社に譲渡いただけるのなら何が実現できるのか、プレゼンさせていただいた結果、東海ガスが事業譲渡先候補者に選定いただきました。」
*「びく石山静かな夜のキャンプ場」のStoriesはこちら▽
現地で働いてみて
▲キャンプ場(一部)2024年4月、「森の都ならここの里」は東海ガスによる運営をスタートしました。現地での勤務を任命されたのは、F.K.さん。それまで東海ガスのガス事業に携わっていたとのことですが、戸惑いはなかったのでしょうか?
F.K.さん「キャンプ場に来る前の職場が秋田県 にかほ市*だったので、自然が多いという点は共通していて、環境としてはそこまで戸惑いはありませんでした。それまでキャンプはやったことがありませんでしたが、趣味で釣りをするので、抵抗感などは全くなく、自然豊かで良い環境だと感じています。ふと山を見るとニホンカモシカが顔を出していたり、狸がうろうろしていたりします。事務所の中にはサワガニがいたり、電線の上には猿が歩いていたりと、とにかく色々な生き物たちに出くわします。最初は、自然豊かな場所での仕事=のんびりとしている感じなのだろうか、なんて思いながら現場に足を踏み入れました。」
*東海ガスは2020年4月に秋田県にかほ市よりガス事業を譲り受け、同市で都市ガス事業を運営しています。
▲受付棟にある売店
F.K.さん「前からこの場所で働いていた30人近くの職員の皆さんと、これから同じグループとして一緒に働いていくということで、最初に取り組んだのは、皆さん一人ひとりとのお話です。想像とは違って、キャンプ場の仕事は実際のところ多岐にわたります。皆さんそれぞれから、現場での経験や知見を共有いただきました。なにしろ人生の先輩ばかりで、学ぶことが多いと感じています。TOKAIグループのこともお伝えしながら、キャンプ場や温泉施設の運営について、1から教えてもらうところからのスタートでした。」
▲ならここの湯館内にある”ならここ食堂”。
ちなみにキャンプ場や温泉施設の運営というのは、どのような業務があるのでしょうか。
F.K.さん「コテージやお風呂の清掃、キャンプ場の利用者へのご案内、予約対応、トイレや水まわりの掃除など、他にもさまざまです。温泉設備の管理や食堂の運営も行います。東海ガスが引き継ぐ前から各フロアの職員がそれぞれの業務を担当しているので、最初の1年はこれまでの形を崩さずにきちんと運営を引き継ぐことに注力していました。」
地域との関係性
▲キャンプ場のそばを流れる原野谷川長年親しまれてきた場所だからこそ、地域住民の皆さんにとっても、民間譲渡されてこれからどのような施設になるのかという点は、気になるところ。
F.Kさん「現在は東海ガスとして運営していますが、年に2~3回、地元住民の皆さまや掛川市と東海ガスの3社協議会を定期的に開催しています。協議会では、運営状況や地域との連携に関わる情報交換等を行います。やはり地元の皆さんの憩いの場だからこそ、民間譲渡されてどのような場所になるのだろうか、ガラっと変わってしまうのではないか、という気持ちも少なからずあると思います。 これからも変わらず憩いの場として安心してお越しいただけるように“今はこんなふうに運営していますよ”とお伝えして、ご意見を頂くことが大切だと考えています。」
長年愛される理由
▲取材時、ならここ食堂の各テーブルには、さまざまなお花が生けてありました。地元の方からも大切にされて、県内でも人気なキャンプ場ですが、実際お客様からのリアクションとしてはどんなところを評価いただいているのでしょうか。
F.K.さん「キャンプ場としては、炊事場やトイレなど、水回りが綺麗だと評価いただくことが多いです。管理棟で勤務している職員が直接お客様からお声がけいただくこともあります。定期的にお客様のアンケートの記入をお願いしていますが、“設備が綺麗に管理されていて良かった”“また来ます”等のお言葉を頂くこともあります。昔から“安心・安全”を徹底して運営されてきたキャンプ場なので、その点はどの職員も大切にしているところです。お客様からのこういった嬉しい言葉はとても励みになりますし、職員一人ひとりが一生懸命取り組んでいることが結果としてお客様に伝わっていて嬉しく感じます。」
▲キャンプ場内の水場(一部)F.K.さん「キャンプ場と併設して“ならここの湯“があることも大きいと思います。キャンプはお風呂が無いケースも多いですが、ならここの里キャンプ場から歩いて行ける距離に温泉があるので、初心者の方にとっても、キャンプに挑戦しやすい。近くには川が流れていて、バーベキューもできて、大人も子供も楽しめるという点も、評価いただけているポイントだと思います。」
▲フリーサイトから川の向こう側へ続く吊り橋===
地域との関係を大切に築きながら、慎重に引き継がれた「森の都ならここの里」。長年多くの人に愛されてきた場所だからこそ、大事な部分は「変わらないこと」を意識されているというお話が印象的でした。
後編では、新しく実践している取り組みについてお届けします。

- この記事で登場した人
- F.K.
東海ガス/2000年入社
休日は趣味のゴルフや釣りに出かけます。新たにキャンプも加わる予定!好きなお酒をゆっくり飲みながら過ごしてみたいです。

- この記事を書いた人
- みわ
TOKAIホールディングス / 2021年入社
「Stories」でTOKAIグループにまつわる様々な情報を発信しています。読んでくださる皆さんの「なるほど!」や「ちょっと参考になる」をお届けできればうれしいです。好きな食べ物は餃子。ときどき山に登ります。


