東海ガス株式会社
官民連携で「藤枝型森林カーボンクレジット」を展開
~地域におけるJクレジット創出と木材の流通の循環モデル確立~

2024年3月12日

 当社の連結子会社でグループの都市ガス事業を担う東海ガス株式会社(以下、東海ガス)が、静岡県藤枝市としずおかフィナンシャルグループと協力し、同市内でのカーボンクレジットとエネルギー、木材の地産地消を行う「藤枝型森林カーボンクレジット」のスキームを確立したことを、下記のとおりお知らせいたします。

 当社グループは、昨年5月に2025年度を最終年度とする「中期経営計画2025」を策定しました。この計画では、「成長の根源・基幹・果実」という3つの要素からなる成長ツリーに沿って各種取り組みを推進し、サステナブルな社会への貢献を果たすとともに、グループの持続的な成長を目指しております。

 本件は、この重点施策の一つである「低・脱炭素化への取り組み」を具現化するものであり、当社グループだけでなく地域、お客様、サプライヤーなどと協力し、低・脱炭素化に取り組む事例となります。引き続き、グループ一丸となって、環境に配慮した取り組みを推進し、企業価値の向上、並びにお客様、地域の皆様の信頼と地位を確立してまいります。

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 藤枝市(市長 北村正平)、東海ガス(社長 丸山一洋)、しずおかフィナンシャルグループ(社長 柴田 久)では、藤枝市の市域の約7割を占める中山間地域の豊富な森林資源の適切な維持・管理を通じてサステナブルな経済活動と地球温暖化対策を両立して推進することを目的に、「J-クレジット制度」の利用促進と森林資源の有効活用など、藤枝市内での地域循環モデルの確立に官民連携で取り組んでいます。

 このたび、本活動の一環として、渡辺林業株式会社(藤枝市瀬戸ノ谷)およびTMホーム株式会社(藤枝市善左衛門)による、藤枝市内初となる「J-クレジットプロジェクト認証」に際し、検討段階から登録完了に至るまで一貫した支援を行うとともに、両社の所有する森林による温室効果ガス吸収量を売買し、市内でのカーボンクレジットとエネルギー、木材の地産地消を行う「藤枝型森林カーボンクレジット」のスキームを確立しました。

 今後も3者では、今回の取組をモデルとして対象となる森林の拡大や市内事業者に対する「J-クレジット制度」を活用した脱炭素経営の促進など、地域の課題解決に連携して取り組むことで、地域社会の持続的な成長の実現をめざしてまいります。

1.渡辺林業・TMホームにおける「J-クレジットプロジェクト」について

○渡辺林業とTMホームが保有する森林を合算し、J-クレジットプロジェクトへの登録を行いました。

○今後は、審査機関のモニタリングを経て、2024年度中にJ-クレジットの認証取得をめざします。
<対象の森林> 藤枝市瀬戸ノ谷地区の約200ヘクタール、CO2吸収量 年間700トン

2.藤枝市、東海ガス、しずおかフィナンシャルグループによる支援内容について

○藤枝市は、「ゼロカーボンシティ」の実現をめざし、J-クレジット制度の活用を通じたエネルギーの地産地消を推進するなか、2022年度より、J-クレジット制度へのプロジェクト登録や認証取得を行った市内事業者に対し、登録等に要した費用の一部を補助する「藤枝市J-クレジット制度登録事業費補助金制度」を開始しました。

○本プロジェクトは、補助制度設置後、初の適用案件として、渡辺林業およびTMホームがJ-クレジットプロジェクト登録に際して支払った費用等のうち最大50%の補助金を交付予定です。

○しずおかフィナンシャルグループのグループ会社である静銀経営コンサルティングでは、渡辺林業およびTMホームにおけるJ-クレジットプロジェクト登録手続きに際し、全面的な支援に取り組みました。
なお、本件は、静銀経営コンサルティングによるJ-クレジット登録支援として初の取り組みとなります。

○東海ガスでは、渡辺林業およびTMホームの登録により発行されるJ-クレジットを活用し、「カーボンニュートラルガス」として藤枝市および市内事業者に販売する予定です。

3.今後の取り組みについて

○今後も、藤枝市内におけるJ-クレジット制度の利用促進と森林資源の有効活用を通じたサステナブルな経済活動の拡大に取り組みます。

<取組内容>

  • J-クレジット認証を取得する森林の拡大
  • 市内事業者に対するJ-クレジット投資の啓発活動の実施、投資規模の拡大
  • 間伐材を活用した街づくり、森林のレジャー利用等、森林資源の利活用を通じた地域経済の活性化